カリーナのひとりごと   (1)

ハーイ、写真愛好家のみなさん、今日は。ウチ、カリーナと言いますねん。浪華写真倶楽部の会員・林順一郎んちの飼い猫でーす。三代将軍の家光は生まれながらにして将軍でしたが、ウチは生まれながらにして、順サマ宅の愛猫です。猫の額ほどの有るか無いか分からんぐらいの順サマんちのごく小さな庭先で生まれましてン。生まれたときは極めて小さく育つかどうか分からんというので、非情な母上は、段ボール箱という名のわが家から何度も蹴落として育児を放棄しょうとしましたので、見かねた順サマ、つまりオトンは、その度に救いあげ、母親の乳房を含ませてくれました。なので、オトンは命の恩人です。あまり母上がウチを粗末に扱うもんやから、順サマは遂に、風が吹けば今にも崩れそうな一毛ほどの軽い順サマ宅に入れてくれました。奥方、言いなおすとオカンは順サマに輪をかけた猫好きなので大歓迎してくれました。狭いけど楽しい我が家、というのがウチの今の心境です。

そんなこんなでオトンは、ウチのこと、目に入れても痛くないぼど慈しんでくれます。それはそうでしょう、自分でいうのもなんですが、ウチは可愛いですからね。名は体を表すと言いますが、カリーナというのはイタリア語で、より可愛い、という意味なんですよ。カーロというのがイタリア語で可愛いとか、大切な、あるいは高価なという意味もありますが、ここでは可愛いいという意味。より可愛いいというには、カリーノあるいはカリーナやそうです。ウチは雌猫でずからカリーナです。順サマが付けてくれました。

さて、自分のことばかりを喋りましたけど、順サマになり代わって以後、これからはウチが写真のことや世の中のことなどについて色々とあることないことを話させてもらいますから、どうぞみなさん、よろしゅうお頼みもうします 順サマは、横着してウちにこの原稿を押しつけましたが、しょうのない人ですね。けど、ウチのこと大事にしてくれますから、こんなところでお役にたたなけりゃなんて殊勝にも思って代理を引受けたんですねん。感心でしょう?自分ながら涙がチョチョ切れますよ。では、みなさんサイナラ・サイナラ。